
園の歴史
100年の歩み
日本の幼児教育に尽くした宣教師の中でもカナダから派遣された婦人宣教師の貢献には目覚ましいものがあったと言われております。
先人たちの歩んだ道をじっくり見つめる事は現在に生きる者として意義深いものがあります。
- 1898年保育事業開始
金沢市松本町30番地(現:菊川1-8-1)で開設された授産所にて子度とも真の福祉と教育を行う為の施設が作られた。
設立主体:カナダ・メソジスト婦人宣教師会
保育年限:2年
一週間の保育時間:5日間で12.5時間
敷地面積:約607㎡(約70㎡の遊戯室、その他保母室等があった)
建物建築年:明治25年 - 1902年川上授産所開設
カナダ・メソジスト婦人伝道会社によって「川上授産所」を開設。
- 1910年名称を「金沢川上幼稚園」として県から認可
使用中の授産所を拡充のため取り壊し、園舎として新築。
建延面積:約248㎡ 総建築費:800円(1600万円相当)
この付近は通称「川上」と呼ばれていた。カナダ・メソジスト教会の牧師の娘として生まれた。マウント・アリソン女子大学で学び、1898年にカナダ・メソジスト婦人伝道会社の宣教師として来日。東洋英和女学校で教えた後、1915年までの16年間で馬場幼稚園、川上幼稚園、そして白銀幼稚園を開設した。その後は青山学院神学部女子部長を務めるなど、キリスト教伝道、幼児教育、女子教育、女子伝道者育成などの各分野で献身的に働かれた。
保育料:15銭
卒園証書の番号の書き込みが始まる。 - 1912年「私立川上幼稚園」と改称
定員:70名
就園年齢:満4才から就学年齢に達するまでの幼児
保育時間:9:00~12:00
休日:土日、祝日、春・夏・冬の休暇
保育料:30銭
第2代園長:ミス・ジェシー・ラリーナ・ハウイー就任 - 1915年園則を発効
「私立川上幼稚園」の園則を発効。
保育内容:話、遊戯、手芸、唱歌等
入園について:希望する子どもに「願書」の提出を義務付ける。
第1回母の会(現:保護者会)が開かれ、24名出席。園児数の増加により敷地が手狭であり、移転について話題になる。
第3代園長:ミス・ヘンリエッタ・エリザベース・ディオルフ就任 - 1916年第4代園長:ミス・イザベル・ガブンラック就任
- 1917年第5代園長:ミス・エラ・レディヤード就任
- 1918年現在の地に移転
金沢市新竪町1-20(当時の町名)に土地:約927㎡を購入し、園舎を新築して移転を完了。
この園舎の設計はアメリカ人のウィリアム・メレル・ヴォーリズによるもので日本近代建築総覧に公刊されており、現園舎も現存する近代建築の遺物であると言われる。 - 1921年第6代園長:ミス・アンナ・オリビア・マクラウド就任
- 1922年園則に文言追加
保育目的:宗教的な幼児教育をするというもので、日曜日の朝9時から10時までの一時間を日曜学校として、教師と園児は互いに心の触れ合ったキリスト教の精神に基づいた教育を行うとしたもの
保育内容:倫理、道徳、宗教、自然教育、手芸、音楽、遊戯など
保育時間:1日を3時間とした
保育料:80銭
第7代園長:ミス・エラ・レディヤード再任 - 1930年第8代園長:ミス・ユージェニー・リリアン・ベーツ就任
- 1934年第9代園長:ミス・オリビア・キャサリン・リンゼー就任
- 1937年第1回合同教師会開催
川上幼稚園と十四番幼稚園(現:清泉幼稚園)の日曜学校において合同教師会が開かれた
- 1938年第10代園長:ミス・アダ・コールベック就任
- 1939年第二次世界大戦勃発
国際情勢の悪化に伴ない、日本とアメリカの関係も険悪になって来ました。そこで安全上の問題からカナダ・ミッション本部では、日本に居住する婦人宣教師たちに、本国へ帰るようにとの通達がなされた。
- 1940年第11代園長:ミス・グレース・テーラ就任
- 1941年第12代園長:ミス・オリビア・キャサリンリンゼー就任
ミス・オリビア・キャサリンリンゼー園長の退任で、長い間カナダ婦人宣教師によって受け継がれて来た園長だったが、この後の園長は、教会の牧師を中心に幼稚園教諭が務めることになる。
第13代園長:飯泉 寛牧師(金沢広坂教会)就任
カナダ宣教師団は、キリスト教幼児教育を行なうことを条件に、川上幼稚園の土地及び建物 (園舎)の所有権を日本基督教団へ無償で譲渡した。 この為、 川上幼稚園の経営主体は日本基督教団金沢広坂教会幼稚園理事会に移る。
第14代園長:松本以策牧師(金沢野町教会)就任 - 1942年第15代園長:岡部仁牧師(金沢広坂教会)就任
- 1944年第16代園長:渡辺正牧師(金沢広坂教会)就任
- 1945年第17代園長:高桑 守二牧師(金沢広坂教会)就任
- 1947年第18代園長:林明牧師(金沢広坂教会)就任
園医に村上 賢三医師 就任
第19代園長:田多野貞子教諭 就任 - 1949年第20代園長:古川 忠茂牧師(金沢広坂教会)就任
私立川上幼稚園理事会が発足
初代理事長:古川 忠茂牧師(金沢広坂教会)
会計:遠藤 順吉 (理事)
書記:角谷 房子 (理事)
監事:木原能富子第21代園長:嶋村ふみ子教諭 就任
- 1952年私立学校法成立により学校法人となる
「学校法人川上幼稚園」の設立総会を開催する。
設立発起人代表:嶋村ふみ子学校法人設立の認可を受け学校法人川上幼稚園となる。このため、経営主体は、従来の日本基督教団広坂教会幼稚園理事会から学校法人川上幼稚園理事会へ移る。
- 1954年園医に吉田克巳医師就任
- 1955年学校教育法に基き、保育年齢が定まる
川上幼稚園々則を次のように変更
「満3才から就学年令に達するまで」 - 1958年西側を除く三方にブロック塀設置
- 1961年嶋村ふみ子園長が公務中に急逝
現職園長として川上幼稚園葬を執行。
第22代園長:菊池曉一牧師(金沢長町教会)就任 - 1966年第23代園長:早水栄子教諭就任
- 1967年土地及び園舎が日本基督教団済美会から金沢長町教会へ委譲。
長町教会は学校法人川上幼稚園と次の様に約定を交わした。
「川上幼稚園がキリスト教精神に基き存続する限り、土地及び建物 (園舎)を無償で貸与する。なお、期限は契約の日よりむこう20年間で、その都度契約を更新する」として金沢長町教会幹事会と学校法人川上幼稚園理事会(理事長福島順二)が、土地及び建物(園舎)の貸借契約を締結する。 - 1982年第24代園長:岡本 明夫牧師(金沢長町教会)就任
- 1984年所在地の町名変更
金沢市新竪町1丁目20番が金沢市幸町17番34号となる。
- 1987年貸借契約を更新
保育料: 12,000円
日本基督教団金沢長町教会幹事会と学校法人川上幼稚園理事会は、学校法人川上幼稚園の土地及び建物(園舎)の契約更新をする。期限:2007年6月30日まで - 1989年園舎を川上幼稚園へ無償で譲渡
学校
法人の場合、最小限幼稚園々舎を所有することが義務づけ
られた為、寄付の要望書を提出。宗教法人日本基督教団金沢長町教会は臨時総会の決議を得て園舎を川上幼稚園へ無償で譲渡する。(登記済)
川上幼稚園理事会は、川上幼稚園の建物(園舎)を学校法人へ寄付。第25代園長:中村 光余教諭 就任
- 1990年園バスによる送迎開始
- 1992年トイレ・洗面所・シャワールーム等全面改修工事
- 1993年月の第2土曜日を休園とする
- 1994年園舎 全部屋の床面の張り換えと玄関の増築工事
- 1997年月の第2及び第4土曜日を休園とする
玄関から門扉までの通路の屋根つき工事。
- 1999年「優良防火管理推進モデル事業所」として認定
金沢広坂消防署から「優良防火管理推進モデル事業所」として認定され「優良マーク」の交付を受く。
- 2000年卒園証書の番号は「3203」を数える
世界児童画展で「指導者賞」を受ける。
「川上幼稚園 90さい おめでとう」礼拝と感謝会実施。 - 2003年第26代園長:改田陽子教諭就任
- 2006年門扉新調
トイレを洋式(一部和式)に変更
- 2007年園舎外壁の全塗装工事
玄関のスロープ工事(障害児のため)
学校法人川上幼稚園寄附行為見直しにより修正、県知事より認可を受ける。
金沢長町教会代表役員佐藤誠司と学校法人川上幼稚園理事長室谷時男が土地の賃借契約を締結する。 - 2008年園庭のブランコを新しく取換える。
第13回北國あすなろ善行賞を受ける。
これは北國新聞社が顕彰するもので、活動を通じて地域づくりの中で、周囲から高い評価を受けたもの。10年前からしらうめ園(ディサービスセンター)へ全園児が交代で月一回訪問、お年寄りと交流を深めている。 - 2009年正面玄関ブロック塀の改修工事と掲示板の設置
- 2010年創立100周年記念行事
・津軽三味線コンサート:奏者永村幸治 (当園卒業) 氏
・川上幼稚園の園幟を新調。
・講演会:W・M・ヴォーリズ氏について(講師 石井和浩氏)ヴォーリズ建築保存再生運動 一粒の会理事
・講演会「響きあう心を育てる」(講師楠本史郎氏)
学校法人 北陸学院院長
・100歳おめでとう
タイムカプセル 未来に羽ばたく虹色の鳥の公開
対象卒園生(小・中・高・大学生)
・記念礼拝及び感謝祭
対象卒園児の保護者・前教諭・卒園者・近所の方・そして当園を支えて下さる方など。 - 2022年第27代園長:福田弘子教諭就任